「あおい?」

「えっ…。」

低い声がしてパッ、と顔をあげるとさっきとはちがう顔の桜羅くん?

一言でいうと…不機嫌?

こ…こわいっ…。

反射的に目に涙を溜めるあたし。

「…で、有重さん気づいてくれないの?」

…?

びくびくしながら頭に?がうかぶ。

何の話してるんだろう。

「クスッ。わかんないって顔してる。」

桜羅くんが笑う。

「わっ…。」

桜羅くんが笑うとまわりがキラキラしてまるで王子様みたい。

…はっ!!

えっと…

「なにがですか?」

まさかのまさか、手伝ったから

金くれとか、さっきの声で

いってくるの?!

いや、いや、たぶんさっきのは、気のせいだよ。

うん、だいじょうぶ、…でも、でも。

あたしの頭の中はプチパニック中。

「…なんでもないよ、有重さん、じゃあね。」

…?

今一瞬桜羅くんがさみしそうな顔をしたのも気のせい…?

桜羅くんは教室をでていった。

気のせいだよ、うん、気のせい。

あたしもカバンをもって携帯を、ひらいた。

そろそろ葵くん、来てくれるかな?

DVD、なにかりようかな~。