「いるのね、ふふふ…。」


「…でも片思いだよ…。
ずっと…。絶対に。」

あ…なんだか悲しくなってきた。

当たり前のことなのにな…。

「…莉愛は分からないだろうけど、
昔…莉愛が小学生…くらいの頃かな?
ある事情で男の子とアンタが
手紙のやり取りしてたのよ。」

「………?」

まったく覚えていない、

昔の記憶をゆきらお姉ちゃんは

懐かしそうに、少し切なそうに

両手で包んだマグカップを

見つめ語り始めた。