「あたし、世羅ちゃんと一緒のクラスじゃなかったらどうしよう…。」

さっそくいやな想像をふくらますあたしとちがって世羅ちゃんは、

「大丈夫だよ!」そういってただいま到着した学校の校門をぬけ、

クラス発表されている掲示板へ…。

うう…。みたくないよぉ。どーせ世羅ちゃんと違うクラスだもん。

下を向いて転がっている石を見つめていたあたしに…

「ほ~らね」といって世羅ちゃんが抱きついてきた。

「私達、3組だよ!」

「うそー!!」

「ほんと~。」

よ、よかったあ。

「そうと決まれば3組いくぜぇ~!」

「うん!」

あ~ほんとによかった。

よかったよ~!

あたしは心の中でなんどもよかったと
唱えていた。

教室にはすでにたくさんの人がいて、1人

でいる人やグループで

いる人たちなどさまざま。

「かっこいい人いるかなあ~。」

かっこいい人かあ…。

って…

「ええ!?」

あたしが急に叫ぶから世羅ちゃんは驚いた顔をした。

「奏斗くんと別れちゃったの!?」

奏斗くんとは、世羅ちゃんと中学のころからつきあっている彼氏さん。

奏斗くんは男子高校に行っちゃったのだ。

「別れてないけど、それはそれ、これはこれ。」

あっ、ここがわたしの席だ。といって世羅ちゃんは席についた。

「莉愛はあそこだよ。」

世羅ちゃんが指した席にしぶしぶ座るあたし。

「はあ~。」

世羅ちゃんと席遠いいし、一番前だし、周り男子だし、最悪…。

あごをのせてため息をついているとあたしの隣の人がいないことにきがついた。