さくらんぼなあたしと王子様

「……っ。」

ほんとは逃げたくないの。

ほんとは臆病な殻から

ぬけだしたいの。

プレゼントを渡したいって

気持ちだって溢れてる。

あたしは遅くなってしまった

覚悟をようやく決めて、

震える両手でプレゼントを

雛斗の前に差し出した。