さくらんぼなあたしと王子様

「…………っ。」

どうして渡せないんだろう…。

優依梨ちゃんに渡す時の

何倍も緊張して怖い。

「莉愛?」

「……っ。」

雛斗に優しく名前を呼ばれたら、
我慢していたのに

涙がジワジワあふれだしてきた。

キャンドル一つ渡すことも
できないちっぽけなあたし。

すっごくちっぽけで情けない…。

「っ……!!」

あたしは雛斗のお部屋から飛び出した。