連れてこられた場所は
美術室だった。
「なにするの??」
私が尋ねると愛梨は不機嫌そうに
「あんたは本当に人の話をきいてないのね」
とため息をついた。
「今日はね?文化祭でやる劇の背景画を書いてるの。わかった!?」
私は顔をひきつらせながら頷いた。
「あっ!胡桃ー、やっと来たじゃん」
クラスの子達がチラホラ
私に声をかける。
「今から色塗りするんだけど、黒か白どっちがいい?」
クラスの子に尋ねられて、
「んー、白やりたい!!!」
はいと絵の具と筆を渡された。
しばらく塗っていたら
ベチャ....
私は自分で絵の具を
ひっくり返してしまった。
全身絵の具まみれになった。
クラスのみんなは私をみて
「雪の国でもいってきたのかよっ!!」
と笑っていた。
女の子が寄ってきて、
「早く洗わないと制服に残っちゃうよっ!!」
と、染み抜きの道具を貸してくれた。
乙女だなとか思いながら
お礼を言って
水道に向かった。
「落ちないなあ…」
どうしよう....あっ、保健室にいこう★
私は保健室にシャワーと
洗濯機があったことを思い出した。
保健室に向かってる途中、
誰かにぶつかった。
「あっ……ごめんなさい」
とっさに謝った。
「こっちこそごめんね?ケガはない?」
上を向くと、
ふわふわ王子が私を心配そうに
見つめていた。
「あっ....だ…大丈夫です」
そういって私はまた走り出した。

