千尋はそんな佑李とずっと一緒にいた。
誰よりも佑李の両親よりも…。


「血圧とか心拍数とか、なんかよくわかんないけど……佑李お熱あるの?ちょっとおでこ貸して」

「えっいいよ、熱もないし今日はいつもより調子いいから」

「ダーメ!あたしがちゃんと調べてからじゃないと遊んじゃダメ!」

あたしは半ば強引に佑李のおでことあたしのおでこをくっつけた。

ゴンッ!

くっつけたと同時に痛そうな音が響き渡る。
そのまま二人は動きを止めて静かにじっとしていた。

その沈黙を先に破ったのは千尋だった。
千尋はそっと佑李からおでこを離した。

「うん、熱はないみたいね!………何泣いてんの?」

佑李は半ば泣き目でおでこを抑えながら千尋を見た。

「千尋はいつも強引なんだからぁ…すごく痛かったよ!一応、病人なんだから気を使ってよぉ!」

「立派な男になっていくやつがメソメソするなー!それにあたしはちゃんと気は使ったわ!最後にそっと離したでしょ!?」

「そこで気を使わないでよ!最初から気を使ってよ!」

「うるさいわねー!強くなりたいならそれぐらい我慢しなさい!」

あたしたちはくだらないことで
一日一回は必ず喧嘩していた。