今は午後4:00…。
9歳(小3)のあたし、七重 千尋は
学校を終えて急いであるところへ向かう。

そこは自宅でも友達の家でもない。

彼が待つ病院…彼の病室へ…。


「佑李!」

病室の扉を勢いよく開けると
女の看護師と一人の男の子がいた。

「佑李くん、千尋ちゃんが来てくれたよー」

看護師さんが男の子と話している。

佑李と呼ばれた男の子がこっちを向いた。

「千尋だ!遊ぼ!」

「うん!」

そう彼が"病室にいる彼"…
三野輪 佑李だ。