≪うふふふ・・・見たわね≫

包丁を研ぐ音が聞こえたかと思うと急に襖が開いた。

中にいた女の人が血走った目でそう言った。

「きゃぁ!」

あたしは思わず悲鳴をあげてしまった。

その女の人に気をとられていると今度は上から日本人形が・・・。

「えっ・・・きゃぁぁ!」

あたしが次から次へと現れる仕掛けに悲鳴を上げるたびみんな笑ってるんですよねぇ・・・。

こっちが本気で怖がってるのに余裕そうな顔しちゃってさ。

光君なんてかわいい系のくせに怖いの平気そうなんだもん・・・。

ってかさ、光君には見えてないかもだけど・・・

「慧、琉生兄・・・いっぱい本物居るんだけど・・・」

あたしは悲鳴を上げながら前に座ってる2人にそう言った。

「そうだね。いっぱいいるね」

慧はおもしろそうにそう答えた。

「何の話?」

あたし達の会話が聞こえていたのか、光君が首を傾げて聞いてきた。

相変わらずかわいいな・・・。