男子校のお姫様


「はぁ・・・はぁ・・・」

「佳音大丈夫?」

あたしが肩で息をしていると、祥が心配そうにそう聞いてきた。

「だい・・・じょうぶ」

あたしはなんとか返事をすると微笑んで見せた。

あの後、教室を出たところでちょうど先輩と遭遇してしまったあたし達は全力で走ってまた違う教室に逃げ込んでいた。

「確かに佳音足速かったな~。でもやっぱり体力は俺等には敵わないかぁ」

「当たり前だろ、馬鹿」

ヒロの言葉に、龍がそう言った。

「慧、ここから動けそう?」

あたしはヒロ達から慧へと視線を向けるとそう聞いた。

「ん~・・・動けないこともないけど今はちょっと危険かな」

そう答えると、慧はパソコンを捜査している琉生兄に何かを言った。

琉生兄は頷くと何か違うものを調べ出した。

「・・・すでに1年は陸上部以外全滅だって」

・・・やっぱり男子校って・・・おかしなところなんだね・・・。

あたしはこっそりため息をついた。