男子校のお姫様


「さて、瑛汰も来たことだし紹介するか」

春希さんは担任と思われる人の言葉を華麗に無視した。

「佳音。こいつが今日からお前の担任。長谷川瑛汰だ」

春希さんがそういうと、先生がこっちを見た。

「2-1担任長谷川瑛汰。よろしく」

「瀬戸佳音です。よろしくお願いします」

あたしがぺこりと頭を下げると、長谷川先生は微笑んだ。

「こんな礼儀正しいの久しぶりだ・・・感激だ・・・」

長谷川先生はそういうと、あたしの横に視線を移した。

「慧じゃねぇか。琉生までいるし。お前らこんなとこで何してんだ?」

「大事な姉の護衛とでも言おうかな」

「そうそう。大事な妹を護るのは兄として当然のことだし」

その言葉に長谷川先生は目を見開いた。

「お前等兄弟!?でも考えてみればそうだな。理事長の姪だしな。ってことは黒いのか!?」

1人でぶつぶつ言い始めた先生をあたしは不思議そうに眺めていた。

そこに慧が近づいていくと、何かを耳元で囁いた。

その瞬間、先生は勢いよく頷いていた。

・・・何があったんだろ・・・?