男子校のお姫様


「皆・・・」

「佳音大丈夫?」

「うん・・・」

心配そうな顔であたしを囲む皆。

「佳音ちゃん、身体震えてるね」

「それほど怖かったんだろ。つか、お前いつまで佳音のこと抱きしめてんの?」

「ん~・・・ずっとこうしてたいなぁ♪」

いやいや!何このマイペース人間たち!?

そんな風に自分たちの世界に入り込んでいたあたし達は、お客さんの歓声によって引き戻された。

「キャー!皆超かっこよかったぁ!」

「好きになっちゃうかもぉ!」

「お前等最高!あの子が俺等のとこ来るの早まるんじゃね!?」

そんな声が教室中に響き渡る。

その後は、まるで小説のワンシーンのようなその光景を見たお客さんの口コミによって、お客さんがたくさん来てくれてお客さんが絶えません・・・。

「佳音ちゃん!また指名!」

「はぁい!」

「慧、光、祥、龍、ヒロ、裕篤も!」

そんな風にあわただしいあたし達は疲れを感じさせないように笑顔で接客を続けた。

開店から2時間後にはもうへとへとなあたし。

それでもクラスの売上貢献のため、一生懸命接客をしました・・・。