男子校のお姫様


「光君・・・あたしは大丈夫だからあの子達のとこ戻ってあげて・・・」

「そうだよぉ。喋ろうよぉ」

「ほら帰れ」

「邪魔すんな」

そんな言葉も聞こえていないかのように動かない光君。

そんな光君から微かな声が聞こえて来た。

「・・・るの?」

「え・・・?」

「なんでそんな泣きそうな顔で戻ってなんて言ってるの?」

その言葉で勢いよく俯くあたし。

下唇を噛んで涙を堪えていると、腰と腕に回っていたチャラ男達の腕が離れた。

と同時に腰に回った光君の腕。

「佳音に触るな!」

そう言って現れたのは慧・・・。

「あぁ?なんだお前」

「俺は佳音の双子の弟だけど?」

そう言ってあたしの顔の横に自分の顔をもってくる慧。

「早く出てって」

「佳音に手出すようなら容赦しないけど?」

「・・・出てけ」

「はいはい、お出口はあちらですよ~」

そう言って現れた皆にひるんだチャラ男達はそそくさと教室から出て行った。