「佳音ちゃんかっこいい」

「あぁ。似合ってるよ。じゃあ似合ってるついでにちょっと実演してもらおうか」

正気に戻った2人が口々に言う。

「ありがとうございます。先輩お相手願います」

「いや、俺じゃなくてあいつに頼んで」

あたし達は壁に掛けてあった竹刀を手に取った。

練習の間は模擬刀じゃなくて竹刀を使ってるんだ。

なんでも、刃こぼれしたらかっこつかないとか・・・。

「じゃあ先輩お願いします」

いつの間にか来ていた先輩にそう声をかけたあたしは竹刀を手渡した。

「はいよ~。それじゃ行くよ~」

「はい」

あたし達は向き合うと、どちらともなく駈け出した。

羽織を翻しながら殺陣を行う。

しばらくしたところで部長さんから声がかかった。

「はいそこまで~。動きにくいとか大丈夫だった?」

「ちょっと動きにくいですけど・・・大丈夫です」

「そう。ならいいよ~。明日は朝連あるからよろしくね」

「はい」

あたし達はその後少し会話した後着替えて教室に向かった。

「佳音ちゃん、かっこよかったよ」

「そうかな?でも、あの衣装は光君が着たほうが似合うと思う」

そんな会話をしながら教室に戻ったあたし達を待ち構えていたのは言葉の嵐でした・・・。