一週間後。
あたしは演劇部と自分のクラス、両方のバランスを保ちつつ劇の練習に取り組んでいた。
そして、今日はクラスでの練習の日。
「佳音ちゃん!衣装届いてたよ!」
「ホント?わぁ・・・光君良く似合ってる・・・。皆も・・・」
振り向くと衣装に着替えた光君がいた。
その後ろには同じく着替えた後の皆の姿が・・・。
「佳音ちゃんのはこれ!」
じゃじゃーんという効果音が聞こえてきそうな勢いで光君は背中に隠していた衣装を見せてくれる。
「かわいい~」
「佳音ちゃんに良く似合いそうだよね。試着して?」
あたしは光君に促されるまま更衣室に向かうと、着替えてもう一度教室に戻る。
「おまたせ・・・って・・・どうしたの?皆」
教室に戻ると、あたしを見ると同時に静止したクラス一同。
その顔は心なしか赤く染まっているように見えた。
「佳音ちゃんかわい~!」
入り口で静止していると、突然光君が飛びついて来て驚いたあたし。
「ありがと」
「じゃあ次はこれね~」
「・・・へ?」
突然脇から出て来たヒロに差し出されたもう一着の衣装。
「こっちは喫茶店のね。着てみて」
半ば無理やり更衣室に押し込まれたあたしは渋々着替えた。

