男子校のお姫様


「オームの法則とか、計算法覚えて」

あたしは簡単に計算法を導くための図をノートに書き込む。

「これなら覚えやすいでしょ。電圧、電流、抵抗」

あたしは1つ1つ指をさしながら説明した。

「なるほど~!えりちゃんで覚えればいいのか!」

「これ、1学期の内容なんだけど・・・」

あたしはため息交じりにそういうと、再びノートに向き合う。


それからある程度範囲がおわったところで、最後の社会に取り掛かった。

「歴史は覚えるだけだから、簡単でしょ」

あたしはそういうと、式を召喚して単語カードを書かせる。

「はい。これあたしが使ってる方法」

あたし流は年号を覚えやすいようにごろをふり仮名のようにして書くの。

「うわぁ・・・。覚えやすいなぁ・・・。だけど・・・量多い!」

「じゃあ、たぶんこの辺がでるから・・・こんな感じ?」

あたしは狙われそうなところを抜粋してしるしをつけた。

「おぉ!サンキュー佳音」

「いえいえ。あたしがここまでしてあげてるんだから、全教科70点以上取ってね」

あたしは冗談交じりにそういうと悪戯な微笑みを浮かべて見せた。

「「「(・・・)おう」」」

3人も笑いながらそう答えてくれたから、あたしは今度は満足気に微笑む。

「約束だからね」

あたしの言葉に、皆は不安げな顔をした後おう・・・と返してくれた。