男子校のお姫様


「佳音、そろそろ国語やろ」

「はいはい」

国語はあたしが1番好きな教科で、1番得意な教科。

「たしか範囲に古文入ってたよね?」

「うん。平家物語とか」

平家物語ってことは・・・祇園精舎とかか。

「祇園精舎は最初の部分だけ暗記した方がいいかもね。皆言える?」

「「「無理」」」

ですよね・・・。

「光君とか慧は?」

「俺は言える」

「僕は微妙かな」

やっぱこの2人はなんだかんだできるなぁ・・・。

「そういう佳音は言えるのかよ?」

「うん。祇園精舎の鐘の声。諸行無常の響きあり・・・」

あたしが暗唱し終えると、皆は尊敬のまなざしであたしを見て来た。

「やっぱ佳音ってすごいな」

「そうでもないよ」

あたしはなんとか話題を戻す。

それからまた国語の勉強がスタートしたんだけど・・・あまりの物わかりの悪さに無駄に体力を消費したような気さえする・・・。

こうして、なんとか国語をおわらせると、お昼を食べて理科に取り掛かった。