部屋の前まで来ると、ドアノブに手をかける。

ゆっくりとドアを開けたその瞬間、何かが飛びついて来た。
 

「!?」

「佳音~!!会いたかったぜ~!」

「へ!?おっ、お兄ちゃん!?」

「俺もいるよ?」

「慧まで!?なんで!?学校は?」

あたしに飛びついて来たのが琉生お兄ちゃん。
あとから近づいてきたのが慧。慧とあたしは双子なんだ。

「なんかわかんないけど、父さんと母さんから呼ばれたんだ。今日は授業なしの日だったから、お昼頃から来てた」

「そうなんだ。なんでだろうね?っていうか、2人ともしばらく見ないうちに髪のびたね」

2人は全寮制の学校だからめったに会えないんだ・・・・・・。

「そうなんだよ・・・結構のびちゃってさ・・・・・・」

「でも似合ってるよ?大丈夫!かっこいいから!なんで家族みんな美形なのにあたしだけこんな残念な顔なんだろうね・・・・・・」

あたしが1人落ち込んでいる中、琉生兄と慧は苦笑していたらしい。

このときの2人は同じことを思っていた。
“やっぱ無自覚・・・”