あたしは運よく誰もいなかったお風呂から出ると、髪を乾かして足早に部屋に帰る。

「佳音ちゃん、おかえり~」

「ただいま」

「お!佳音、浴衣じゃん!色っぽいね」

あたしはそんなヒロの言葉を豪快にスルーする。

皆もお風呂に入ったのか、浴衣姿だ。

しかも髪も濡れたままでなんだか色気ヤバい!

「ひどい!無視!?」

「ヒロ。・・・照れるからやめて」

あたしの言葉にヒロは大笑いしだしたけど、無視。

皆もそんなヒロを放置して、布団を敷き始めた。

もう寝るのかな?と思いきや・・・

「枕投げするぞ!」

裕篤のその言葉で改めて実感。

この人たちが素直に寝るはずがない・・・と。

「あたしはやらないよ。・・・死にそうだし。だから代理置いてく」

あたしはそういうと、バックの中から人型を取り出す。

「~~~~」

術を唱えて、式を呼び出す。

「おぉ!佳音がもう一人!」

「この子があたしの代理。じゃ、皆ファイト」

あたしはそういうと、奥の部屋に敷いてある布団に潜り込んだ。

隣の部屋からは断末魔の叫びが聞こえる気がしたけど・・・気のせいだよね!

あたしはそう自分に言い聞かせると、そっと瞼を下ろす。

それから少し経った頃、あたしは夢の中に溶け込んでいった。