「もうすぐ着くぞ」
お父さんの言葉に反応したあたしは窓の外に目を向けた。
今まで3人で話していたから気づかなかったけど、今は橋の上を走っているらしい。
橋の下は海らしく、青く澄んだ水面が日の光を浴びてキラキラと輝いていた。
綺麗・・・。素直にそう思った。
その後まもなく車は橋を渡り終え、駐車場のようなところに止まった。
「着いたぞ。降りろ」
「「「はぁい」」」
お父さんの言葉に3人揃って返事をすると車から降りた。
「ごめんね、佳音。一緒に理事長室行ってあげたいんだけど、飛行機の都合もあって・・・2人に連れてってもらってね。女の子はあなた1人だけだし辛いかもしれないけど、頑張って」
お母さんは申し訳なさそうにそういうと、軽くあたしの頭をなでてくれた。
「佳音。俺達の都合でこんなことになっちゃってごめんな。辛い時はいつでも連絡して来い」
お父さんもお母さん同様に頭をなでてくれた。
「うん。あたしも頑張るから、2人も無理しすぎない程度に頑張ってね」
あたしの返事を聞くと、2人は再び車に乗り込んだ。

