光君はあたしの髪を一房つかむといじりだす。
「佳音ちゃんの髪って綺麗だよね。長くてサラサラだし、なんかやわらかい」
「そうかな?」
「うん。それに、いいにおいがするんだよ」
に、匂い!?
もしかして光君匂いフェチ!?
「なんか変な勘違いしてそうだけど違うからね。たまに、ふわって漂ってくるんだよ」
「そ、そうなんだ」
あたしはとりあえずホッとしながらそう答える。
その間もまったく休まることをしらないあたしの心臓はバクバクと音を立てつづけている。
あたしはここ最近、光君といると異様に心拍数が上がって緊張するように・・・。
やっぱりこれって・・・。
あたしの脳内では1つの言葉が浮かんでいる。
それは“恋”の一文字。
あたしは初めての感覚に戸惑いを隠せない。
転校してくる前はよく美良の恋バナを聞いていた。
それでも、あたしは恋なんてしたことなかったから聞く専門。
でも、皆といるときはこんなにドキドキしない。
あたしは光君のことを好きになったとはっきり自覚したとたんどうしたらいいか分からなくなってしまった。
あたしの脳内ではいろんな言葉がひしめき合っている。
あたしはどうしたらいいの!?

