旅館に着くとあたし達は感嘆の息を吐いた。

「何この豪華な感じ」

「日本家屋な感じがいいね~」

あたしたちは予想以上の大きさの旅館にそんな会話を繰り広げていた。

「今回は貸し切りに出来なかったから部屋数も少ない。佳音も1人部屋にしてやりたかったんだが、部屋が確保できなかったから、申し訳ないがそこの6人と同じ部屋で寝てくれ」

本気ですか、先生!?

あたし一応華も恥じらう女子中学生ですよ!?

そんな気持ちを込めて先生を見つめるけれど、先生の目は真剣そのものだった。

「・・・はい」

結局そう返事してしまったあたし。

「佳音、そんな沈むなって。俺達が落ち込むから」

「あ、ごめん。でもヒロと同じ部屋って・・・絶対うるさい」

あたしはヒロにそういうと、先生から鍵を受け取って歩を進めた。

皆もあたしの後ろを着いて来ている。

ヒロは裕篤に引きずられてるけど・・・。

あたしはその光景を横目で眺めつつも足を進め続けた。