「あそこの自販機です」
「え?どれ?」
この人視力悪いのかな?
「分かんないから連れてってくれる?」
「いいですよ」
その人たちを案内するため動きだそうとすると、突然グイッと腕をひかれた。
「きゃ・・・」
その反動でバランスを崩してしまったからだをその人は優しくうけとめる。
「俺等のお姫様に手出さないでくれる?」
その声に顔をあげると、いつの間にか人だかりから抜けてきていた皆が・・・。
男たちは軽く舌打ちして逃げて行った。
「佳音ちゃん、何簡単についていこうとしてるのかな?」
「え?だってジュース飲みたそうだったから・・・」
光君の言葉に首をかしげながらそう答えると、皆は一斉にため息を吐いた。
「あれね、ナンパの手段だよ」
「ナンパ・・・?」
「うん。ナンパ」
「はじめてナンパされた・・・」

