その日、夕飯を食べ終えるまで皆はあたしの部屋にいた。

みんなは心配だからって言ってくれてた。

でも本当は皆あたし達が何か知ってるんじゃないかって疑っていたということにあたし達は気づいていなかった。


午前1時50分。

あたし達はいつものように見周りに向かうため寮を出た。

「それにしても、今日のあれなんだったんだろう・・・」

皆が居た時は話せなかった話をしながら歩く。

「どんな姿してたか詳しく教えて」

「長身で服装は全身黒だったな。黒髪だったよ。仮面してて顔は見えなかったんだけど」

あたしは男の姿を思い浮かべながら説明をした。

「見た目は人間そのものだったよ。吸血鬼の類なのかも」

「吸血鬼か・・・。佳音のことうまそうって言ったんだろ?」

「佳音は普段霊力抑えてるし・・・それでも霊力を感じたんなら相当できる奴だね」

あたし達が奴の正体を考え首をひねっていると、霊気を感じた。

「慧、佳音」

「「わかってる」」

あたし達は意識を集中させると、迫りくる妖怪たちに備えた。