男子校のお姫様


やばっ!こんなとこでそんな話しなきゃよかった!

「えっと・・・そうそう、この2人、たまに頼まれたらモデルやってるんだよ」

あたしは頭をフル回転させてそう言った。

でも実際嘘ではないし。

「佳音と2人ってのが引っかかるけど」

「それは・・・」

「佳音もたまにモデルやってるんだよ」

あたしの話に慧が話を合わせてくれた。

それには感謝するけど・・・モデルのことは言わないで欲しかったな・・・。

「へぇ~。それってなんかの雑誌?」

「雑誌っていうか・・・瀬戸カンパニーの系列の店のカタログ的な奴」

そうなんだよね。服とかアクセサリーとかね。

かわいいものばっかで楽しいんだけど、あたしには似合わないんだよね。

「瀬戸カンパニーって・・・すげー」

皆は慧達を尊敬のまなざしで見ている。

確かに人気だもんね。

あたしは、とりあえずごまかせたことに安堵の息をこぼした。