男子校のお姫様


「あれ?佳音、何してんの?」

ふと誰かの声がして勢いよくパソコンを閉じて振り向くと、琉生兄が立っていた。

「お兄ちゃんか・・・。他の誰かだったらどうしようかと思ったよ・・・」

あたしはため息交じりにそう呟いた。

「ってことは、報告書?」

「そう。お兄ちゃんが寝てて行かなかった見周りの報告書」

あたしは嫌みたっぷりで言った。

「ごめんなさい・・・」

「謝るなら慧にもね。あたしたち2人だったんだから」

あたしはあやまるお兄ちゃんにそう言って慧を目でさした。

「はい・・・」

琉生兄は肩を落としながら慧のもとへ向かった。

「慧、仕事放棄してごめんなさい」

「別にいいよ。佳音と2人楽しかったし」

「仕事?」

2人の会話に皆は首を傾げた・・・。