「あーっ!佳音ちゃん、慧!何処行ってたの?心配したんだよ?」

部屋に戻ると、光君が起きていた。

光君は小声でそういうと、あたし達の前まで走ってきた。

「ちょっ!光君!?みんな寝てるんだから走ったらあぶないよ」

あたしがそういった時にはすでに目の前に光君の姿が・・・。

(はやっ!)

「佳音、俺、紅茶飲みたい。目冴えちゃったし、安眠効果があるの淹れてくれる?」

慧は話をそらすようにそう言った。

「分かった。ちょっと待っててね」

あたしは急いで紅茶を淹れると、慧達のもとへ向かった。


「はい。光君もどうぞ」

あたしはカップに紅茶を注ぐと2人に差し出した。

「ありがと。・・・美味しい。やっぱ、佳音は紅茶淹れんのもうまいね」

「ほんとだ。凄くおいしい・・・」

「そう?それなら良かった」

あたしは自分もカップに口をつけると、温かい紅茶を流し込んだ。

上品な味わいの紅茶は飲むたびに心が安らいでいった・・・。