玲Side―

ごめんよ、杏奈。
俺は昔付き合ってた彼女とデートしてた。

そいつは親から虐待うけてて、それを晴らすために薬をやってた。


俺はまだ薬のことは知らなかった。
俺んちのベッドでいい感じになったとき俺がそいつの体に触れたら、そいつは奮えだしたんだ。


親からうけてたのは性的虐待だったんだ。

…それと薬の過剰摂取だった。


そいつは俺に言った。


“ごめんね、ごめんね。玲を幸せにできなくて。”


その「ごめん」は俺にとって苦しいものでしかなかった。

その翌日、そいつは死んだ。
自殺だった。

俺はあの「ごめん」を強く受け止めたんだ。

だが、俺はこの事をまだ心の底に眠らせている。
忘れようとしているが、やはりまだ吹っ切れていない。