「いないよ。」

「そうなんだ。意外」

今、絶対嘘ついた。いたことあるんだ。なんで嘘なんてつくんだろう。


私はまだ玲の抱えてる問題を一つも知らなかった。



私と玲は見つめあった。

「ごめん、もう我慢できない。」

「え?」

「キスしたいってこと。いい?」

「…いいよ。」

玲は私にキスをした。玲の匂いと息遣いがとても近かった。私はそれにドキドキした。

「ドキドキしちゃった。」
「俺も。」

「玲、いい匂い。」

「本当?お前も。女の匂いがした。」

「…え。」

「変な意味じゃねぇよ。」
「だよね。」

「あぁ。」