倉庫は真っ暗で、何か嫌な予感を感じるようなものだった。

「玲…怖い。」

「大丈夫だ。俺がいる。」

そう言って俺は杏奈の髪にキスをした。
何かから必死で守っているように。

「南いるよね?」

「きっといる。……ただ。」

「ただ?」

「なんか嫌な予感がするんだよ。」

「嫌な予感ってどんな?」

「わかんね。ただすげえ恐ろしいような気がする。」

その瞬間、影が横切ったのが分かった。