「杏奈。」
「玲…。」
涙を拭った。
そして私は何も言わずに、玲を抱きしめた。
玲は静かに泣いていた。
私たちは、一緒にお墓参りへ行くことにした。
「玲は愛されてたんだよ。」
「だからこそ、謝られるのが辛かった。あいつが一人で責任を感じてるような感じがして。」
「今は玲がその責任を一人で背負おうとしてる。」
「それは…」
「そうやって思うなら、少しだけ自分のこと考えていいんだよ。また、残された人が辛くなる。それの繰り返ししかしなくなっちゃうよ。」
「だよな…。俺、お前に話すのが怖くて。まだあいつが俺の中にいたし。」
「分かった。分かったから、今は考えなくていい。」