『や、やめて下さい。』

『だって杏奈ちゃん可愛いんだもん。』

『…助け…て。』

俺が行かなきゃ、他にいない。

……バンッッ!!

「いったぁ。」

「お前、何無理矢理してんだよ。」

「ただ、キスしようとしただけ。」

「嫌がってんだろ」

「なーに、向きになってんの。玲だっけ?うけるわ。」

杏奈が起き上がった。

「玲のこと悪く言わないで!!あんたに玲の何が分かるのよ。知ったふりしないで。」

「うるせーな。」

「今すぐ、去って。」

「ちっ。」

杏奈、すげぇ。

「お前、やるじゃん。」

「助けてくれてありがとう。」

「大したことじゃねぇよ。」

「玲…新しい彼女できたんだね。」

「あ、あぁ。お前もいいやつ見つけろよ。」

また俺は、杏奈を傷つけた。
杏奈を傷つけない方法はねぇのかよ。