すてきな執事達 - Ⅰ -




『でもね、僕は後悔してない。こういう運命で生まれてきたからって幸せになれないわけではないと思うんだ。きっといつか良い事が起こるはずだよ。例えば、今日とかね。』




今日⁇




『今日はローラに会えた。スペインにはたくさんの人がいるけど、ローラはいない。日本に来ていなきゃローラには会えなかったからね。』




エリックは笑顔でそう言った。



エリックは強いよ。



私なんかより、とても強い。



今まで生きてきてそんな風に思ったことはなかった。



もちろん言わなかったけど、いつも自分の家のせいにしてた。



私と同じ子供なのに…。



ピピ、ピピ。



エリックの携帯がなった。




『はい。…Estoy bien. …Ya voy. 』




これはスペイン語かな⁇



スペイン語は昔習っていたから、少しだけできる。




『ごめんね、ローラ。もう帰らないといけないんだ。』