「うわぁ!キレイ…!」


川嶋が舞い踊る桜の花びらに見とれている。


俺の好きな笑顔、だ。


「…桜が降る季節、だな」


「へ?」


川嶋が俺の方を振り向く。


「ほら、次から次へと降ってくる」


俺は降ってくる花びらを手のひらに乗せた。


桜は散るんじゃない。


降って地上に戻るんだ。


雨や雪と同じ。