「そう、それそれ」
「って何でお前が知ってるんだセルマぁ!」
「こないだ覗いたときの記憶にあった」
「そういうことは早く言いやがれこのあんぽんたん!」
声が裏返った。
まずい。緊張してるのか俺は。
俺は二番目の兄貴・エルヴィスが大の苦手だ。
俺がまだガキのころ、なんだかよく知らないがいきなりいじめられて以来、顔を見ると逃げるようにしている。
「それでも助けるって言ったのはお前だろ?」
「それを今いうか?」
「…言いだしっぺは自分。責任とらないと」
なんだこのコンビ。
やっぱり俺をいじめるという点で息ぴったりじゃねえか、厄介だな。



