ここに来るまでにも、山賊や追いはぎなんかに襲われることは何回かあった。
その都度、もちろん倒してきたわけだけど…
なんか変なことしたかな?
「最近、異常にスピードとパワーがアップしてる」
「!」
あのことか。
ひげ面を相手にした時に現れた白い気。
あれが出ている間、俺の力は異常に上がる。
けど、あんなのいきなりできるようになったから──
「よくわかんねぇ」
俺は正直に言った。
もちろん、イアンの眉はつりあがる。
「本当か?」
「マジだよ。いきなりあんなのできるようになって、加減ができなくて戸惑ってるのは俺の方なんだぜ?」



