少しすると、イアンが宿を見つけたと俺たちを向かえにきた。
部屋に入るなり俺はベッドに倒れこんだ。

「あー。疲れた、もう歩きたくない。もう嫌だ」

「何言ってんだ。これからエルヴィス様んとこ行くんだろ?」

げ、と思って俺は体を起こす。

「今日行くのか?!」

「い、いや…そういう訳じゃないけど」

「明日にしようぜ? な?」


イアンは少しあごに手を当てて考える。
きっと頭の中でこれからの予定についてめまぐるしく逆算が行われているに違いない。


「ここまで長旅だったからな。いいよ、今日はゆっくり休もう」

「よっしゃー!!」