「一番力のある長男・ジュダス様がどうにかなさってくれればよかったんだが、それが鎮圧どころじゃないんだ」
「どういうことだ?」
俺はようやくいい具合に冷めた紅茶をすする。
「ジュダス様は、アイルランド侵攻に着手している」
「はぁ!?」
わけわかんねぇ! 国危ないんだろ? それでも放置? 馬鹿じゃねえの?
「お前だってイングランド放置して復讐に出てきてるだろ」
「うわ、人のこと言えないね」
「いらんとこで入ってくるなセルマ!」
フッと笑って、お菓子をつまむセルマ。
ああ、こいつ一人気楽にしやがって…
「そうしたら、もう国は崩壊じゃないの?」
「ああ。かなり危ない状態だ」



