英国喜劇リトレイス


「じゃあ、ついていけばいいの」

「ああ。よろしく頼むぜ」

「よろしく。ディゼル、イアン。改めて助けてくれてありがとう」

無表情プラスほとんど棒読み。
そんなんで言われて俺はどう反応したらいいのでしょう?

視線で助けを求めてもイアンは知らん顔。

おいおいおい?
そんなにセルマのこと気に入らない?
いっしょに行動するって決まったんだからもうちょい──

「決まったんだったら、急ごう」

「? なんでだ?」

イアンは、躊躇いがちに目を伏せた。


「前から言わなきゃいけないって思ってたけど、なかなか言い出せなかった。まずそれを謝る。すまない」

「……」