英国喜劇リトレイス


「!!」

俺とイアンはハッと顔を見合せた。


確かに、それなら筋は通る。


俺たちをバラバラにさせたらぽっかりと空いてしまうもの――



それは、この国自体だ。
それじゃつまり……


「黒幕の狙いが国だとしたら、ヤバいぜ!

兄貴を懐柔して戦を起こさせて、まんまと俺たちはバラバラだ!
国は議会がどうにかしてるけど、ちゃんとした統治する人間はいない!」

俺の言葉を続けるようにイアンも興奮気味にまくし立てる。

「それにだ! 王様の政治は色々と反感があったからな。この機会に便乗して民衆が蜂起なんてこともなくはない!」