「話を聞きながら貴方たちの記憶を覗いてみたけど…」 「見たのかよ! だったら確認いらないだろ!」 「ディゼル突っ込むところそこかよ!!」 え 違うの? だが、イアンは呆れて首を振っただけだった。 「とにかく。それはお兄さん自身の意志としたら、違和感がある」 それは確かにそうだ。 ちょっとらしくないとは思う。 そしてセルマは信じられない言葉を紡ぎ出した。 「そこに貴方の兄の意志はない。 貴方の兄の裏に――黒幕がいる」