頭をスカーンとやったイアンに漏れなくお返しをやってから、俺は咳払いした。

「俺は兄貴をぶっ倒したい。それにあんたの魔法で協力して欲しいんだ」

「人殺しの手伝いをしろと?」


ハッキリ言われると辛いものがある。
思わず視線を下げると、頭を押さえて転がっていたイアンと目が合った。
イアンはハッとして目を開く。

「……お前、やっぱり」

「俺はアイツを許さない!!」

気付くと、部屋中に響く声で叫んでいた。

「カレンを殺したことだけじゃない!! アイツのせいで何人の人が死んだ!?」

「……」