英国喜劇リトレイス


おかしい。

スタミナがあんまりないから途中で抜かせるとはいえ、短い距離なら足はイアンの方が速いはずなのに…

俺がしきりに首をひねっていると、イアンは不思議そうに俺を見た。

「どうした?」

「…いや、何でも」

一番はなんといっても山賊との間を一瞬で詰めたことなのだが、それは言わないでおいた。

「で、俺たちこれからどうするよ?」

「さぁ…?」

俺は手を引いたままだった魔女を見る。
いきなり振られ魔女は、困ったように俺を見つめ返してきた。

「こういう場合はどういうリアクションをとったほうがいいの?」

「んなこと考えてたのかお前はっ!」

「うん」

「うなずくなっ! この辺りでいい隠れ家見たいのない?!」