うわわわ!!
さっきのひげ面がもう追いついてきやがった!
「俺らのお宝持ってくんじゃねえよ…!」
こいつの身なり、どう見ても聖職者なんかじゃない。
むしろ逆っぽく見える。
しかもお宝って…
「こいつら、山賊」
魔女がポツリと言った。
ああ、なるほど。
って、おおい!
「ってことはつまり──」
グッグッとくぐもった笑いを含めながら、ひげ面は腰に下げていた短剣を引き抜いた。
「やっぱり戦い慣れてますよね! どうすんだおい!」
「さあ?」
「ここで投げ出すんじゃねえー! てめえが蒔いた種だろうが!」
「…助けて」
助けても何も!
やんなきゃ俺が殺される!



