「おい! どうした!」 左手のドアから、さっきの男よりも屈強そうでひげの濃い男が飛び出した。 ヤッベェ!! ひげ面はまず倒れた男を見、縄を解かれた魔女を見、縄をもって立ちすくむ俺を見た。 「貴様、何者だ!」 「ああ? てめ、俺のことも知らねぇ──うおっ!」 ひげ面にキレようとしたところで魔女に手を引かれた。 そのまま魔女は小屋を飛び出して走り出した。 「ちょ、何すんだ!」 「敵の目の前で身分を明かすのを待っていられないわ」 ああ、なるほど。 ってそうじゃねえ!