英国喜劇リトレイス

俺はそろそろと移動し、ドアを薄く開ける。

右手に暖炉。
正面奥の窓に男。
ドアで死角のところに魔女。
左手にドア。

男は頬の傷をさすりながらまだ窓の外を見ている。


これはチャンスと見たっ!!


俺は足音を立てずに小屋に侵入し、男の背後に近寄る。
幸運なことに魔女は下を向いて顔を上げない。

俺は背中に背負った大剣を鞘に入れたまま抜き、そのまま男の背中に振り下ろした。

「がっ!」

鈍い音が鳴り、男はその場に崩れ落ちた。

俺はそれを見届けることなく、魔女の縄を解きにかかった。