「……ディゼル?」 魔女裁判が終わって、彼女が連れていかれると、熱が冷めたように人々はいなくなった。 その誰もいなくなった広場で俺は、彼女がいた場所を見つめて立っていた。 そんな俺の肩に、手を置くイアン。 「行こう、ディゼル。ここにいても仕方ない」 「……そうだな」 「どうしたよ?」 さすがに、俺の変化には目敏い。 「あの魔女……カレンに見えた」 「別人だろ?」 「まあ、そうなんだけどさ」