英国喜劇リトレイス


ロシュは驚いた顔、そして──

「何で今、安心したんだ?」

「──!」

力は抜かないままに、ロシュの見開かれた目をまっすぐ見つめた。

「何が…? 普通じゃないの? 攻撃が来なかったんだからさ」

「違う。弾の攻撃を止めた時さ」

「そんなのしてない!」

嘘だ。
俺は、確かに見た。

「ちゃんと止めることが出来て、強い攻撃をしなくて済んだからだろ?」

「言ってる意味がわかんないよ!!」

叫ぶようにロシュは言った。
そのとき、ジュダスが武器を下ろした。

「そういうことか」

俺は小さく頷いた。
そして、言葉を繋げる。

「お前、本当は俺たちと戦う気なんてないんだろ?」