英国喜劇リトレイス


ジュダスの上擦った声に、ロシュが慌てて先を向いて、俺と目が合う。

「くっ!」

俺は武器を下げたまま、ロシュが撃ってくるのを待つ。
ロシュは攻撃を止め、代わりに槍を俺に向けて振り下ろした。
それに合わせて、剣を振り上げる。

──ガギン!!

金属の交わる音。
大剣でロシュの槍に圧力をかけて、逃がさない。
カタカタと拮抗した力の間で武器が鳴る。

鍔迫り合いで初めて止まった動きを見て、ジュダスとレイモンドが斬りかかろうとした。

「やめろ!」

俺の叫びに信じられないという顔で、二人の動きが止まる。

今──はっきりわかったんだ。
手、出すな。