「何なんだ?」 倒れた俺の代わりにイアンが近くの人間に聞く。 「この先の村で魔女が捕らえられたんだとよ!」 「もうすぐ魔女裁判が始まるんだ!」 「急がないと見逃すぜ!」 口々に叫ぶと、人々は走っていく。 「なぁ、その魔女って――あ、おいディゼル!!」 イアンの言葉なんかもう入っちゃいなかった。 俺はすぐさま駆け出して、走る庶民に混ざる。 「ったく、しょうがないな!!」 すぐ後ろでイアンが毒づいたのがわかった。 悪いけど――ここは譲れないんだっ! そして俺たちは先の村に向かった。